100K Ultra Training

初めてウルトラを目指す人にも!ベテランランナーにも!

image

仲田光穂選手の「私のウルトラマラソン」

第2回 200kmレースで進化する自分を発見

supported by ZAMST

いま、ウルトラマラソンの世界で他を圧倒した活躍を見せている仲田光穂さんは、今年挑戦の200kmも楽しんで走ったとのこと。「きつい練習はしない」という仲田さんの日常のトレーニングとウルトラマラソンへの想いをお聞きしました。

難コースでも結果が出る

―小江戸大江戸200km(3月)では、男性を抑えてトップ、しかも20時間を切る好タイムで優勝。これにはウルトラマラソンを走る、多くの人が驚きました。

小江戸大江戸は楽しかったですね。景色が変わるので走っても走っても飽きることがなく、どこまでも行けそうな感じでした。

200kmのレースは今年から挑戦しています。初挑戦は1月のジャパントロフィー200沖縄大会でした。200kmはまだ始めたばかりですが、自分の進化が見えて楽しい世界です。旅みたいなところもワクワクしますね。長い距離を走るのは、とても楽しいです。

100kmは、まだまだシリアスに上を目指せると思っています。10月の柴又100kmウルトラマラソンでは自己ベスト(7時間40分6秒)で優勝することができました。サロマ湖、四万十川、沖縄と合わせてウルトラマエストロの称号(4大会の完走者に贈られる)をいただきました。サロマは平坦で走りやすいと言いますが、強い人も出るし私はあまり得意ではありません。苦手な方が多い起伏に富んだコース等の方が、結果が出るみたいです。

3週連続走でついに故障? ケアの大切さも

―今年10月は、優勝した柴又の前週に津南ウルトラマラソン(新潟100km・8時間19時間53秒)で優勝し、さらに翌週には120km試走会と、3週連続でレースペースの走りをしていますね。

これまで故障することはなかったのですが、さすがに疲労が溜まったのか、初めてシンスプリントになりました。初心者みたいですね(笑)。だからその後は2週間ぐらい走る距離を落とし、マッサージ器具も購入してセルフマッサージを行いました。

練習で脚に乳酸が溜まるようなことはありますが、全身が疲れるような無理な走り方をしない(それでも周りから見たら、異常な走り方のようです)ようにしてきましたから、身体のケアには気を使っていませんでした。でもさらに上を目指すなら、ケアが大切と感じるようになりました。

現在の練習は、平日は仕事を終わってからの夜の10kmランと、休日のマラニックです。最近では朝、週3回くらい低酸素施設のあるジムで、5kmを30分で走っています。1日の空いている時間は、全部走ることにつぎ込んでいる感じですね。ほぼ毎日走りますが、10日か2週間に1回くらい完全休養日を入れます。レース前日は休養、レース後も1日休んで筋肉痛が治れば走ります。

コーチは、いらない。自己流で、仲間と高め合う

―仲田さんの走りを見ていると、すごいことを達成しているのに、辛い練習や頑張っている様子は感じられず、むしろ走ることを目一杯楽しんでいるように見えます。

そうですね、とにかく、苦しい練習はしません。マラソンも走るのでレースに向けて1km4分切りのペース走やインターバルトレーニングもやりますが、スピード練習は好きではありません。

それよりも荷物を背負ってのマラニック走を、年間を通して行っています。距離は、短くて50km、長い時は70kmくらい。冬場以外は奥武蔵や箱根の峠走など、起伏のある長い距離を時間をかけて走ります。誰かと一緒に話ができるようなペース、1km5〜6分程度です。途中休憩したり食事をとったりもします。

無理をせず楽しく続けることが大切だと思います。200kmレースを走るようになって、月間走行距離は600〜700kmに伸びました。それまでは400kmくらいだったんです。練習メニューは特に作っていません、自己流で行っていますよ。指導されるのがキライなんです(笑)。それよりウルトラを走る友人と高め合って走ることで、パワーをもらっている気がします。200kmへの挑戦も、最初は一人でエントリーしましたが、今は一緒に挑戦する仲間が増えました。

いろいろな大会に出たいが、まずは去年の自分に勝つこと

一つのことが終わらないと次のことが考えられないタチなので、来年どういう走りをするかは、まだはっきり決まってはいません。ただ今年初めて200km走ったジャパントロフィーシリーズの第3戦が1月頭に沖縄で開催され、年間シリーズ戦の年間チャンピオンがかかっているので、これは走ります。

また、1月下旬の大阪国際女子マラソンも、毎年走っているし、両親が応援に来るので出場予定です。 小江戸大江戸や奥武蔵ウルトラ、サロマ湖100kmにも出場したいですね。そのほか日程が合えば出場したい大会はたくさんありますが、さすがに2週連続はやめておきます(笑)

24時間走やウルトラの世界選手権、スパルタスロン(ギリシャ・246km)など海外のレースにも興味があります。記録や順位も気になりますが、もっと大事にしているのが、自分がどれだけ強くなれるか。そんなにギラギラした気持ちではないですが、去年の自分に勝つことが目標です。

 

プロフィール:仲田光穂(なかた みほ)

中学までバスケットボール部に所属し、高校では陸上部(中・長距離)で県大会出場。大学で競技を離れるも、東京マラソン当選を機にランニングを再開。大学卒業後、公務員をしながら走り続けている。1989年生まれ、茨城県出身。数多くのウルトラマラソンで優勝し、「ウルトラマラソンの女王」と呼ばれることも。 フル 2h45 / 100k 7h40 / 206k 19h33 / 251k 25h14