100K Ultra Training

初めてウルトラを目指す人にも!ベテランランナーにも!

image

川内鮮輝選手の「ウルトラマラソンの世界へ、ようこそ!」

第3回 しっかりとした補給を心がければウルトラ完走が見えてくる

supported by ZAMST

練習でも、レースでも、補給は大切

ウルトラマラソンの準備では、距離を走ることとともに、しっかり補給をすることも大切です。

私の場合、スポーツドリンクと水をとることを心がけています。水だけだと脱塩になりますし、スポーツドリンクだけだと甘すぎるので両方をバランスよく。身軽にするためにお金だけ持って自販機等で買うようにしています。ただペットボトルの500mlを一度に飲むのは結構辛いので、小さめのリュックなどを用意しておく方がいいかもしれません。

これはレースでも同様で、補給をしっかりすることがウルトラを走り切るカギです。私は走っている時に固形物をとることはほとんどありません。エネルギー系のゼリーや、後半にはカフェインが入っているジェルをとることもあります。苦しい場面で覚醒できた、と感じられると思います。

走り終わった後はリカバリーのためにアミノ酸やプロテインをとることにしています。これは体づくりの目的もあります。疲労感が抜けるまで翌日以降も続けてとります。

もちろん何をとるかは人それぞれ、お腹が空く人は固形物をとってください。レースではエイドステーションの給食をとるのもいいです。できるだけ快適に走り続けることが大切です。練習の時、いろいろ試しておくといいですね。

フルマラソンであれば、補給なしで行けてしまう人もいるでしょう。でもウルトラの距離と時間では、無理せず補給することが大事です。練習ではどこまで補給せずに行けるか試すこともありますが、あくまでもトライアルの話。本番のレースでは、マメに補給することを心がけてください。前半から早め早めに、気軽に補給をしていくことです。まずは安全に走り切ることを目指しましょう。

事前の炭水化物摂取、自分に合ったやり方を見つける

レース前の食事もポイントです。私の場合、フルマラソンの時は前日の夜、炭水化物多めを心がけ、普段ご飯200gのところ600gに増やしますが、100kmでは、さらに大福やどら焼きをプラスします。かなりの満腹感で気持ち悪くなる一歩手前という感じです。この日は昼食も多めで、1日かけて炭水化物をため込む感じです。

一方、レース当日は、100kmはスタートが朝早いこともあり、少なめ。おにぎり1個、バナナ、カステラ、ゼリーにコーヒー、スポーツドリンクくらいです。

このやり方にも個人差があるでしょう。私にはこの方法が合っていますが、胃腸の働きも人それぞれ、前日食べ過ぎて眠れなかったなんてことになったら本末転倒です。カーボローディングとして一定期間かけて炭水化物をとる人もいるでしょうが、私の場合、長くやると身体が重くなってしまいます。60km走などの超ロングの練習を行う際に、食事についても試してみることです。

最後に一つ、ウルトラマラソンは地方で行われることが多く、移動距離や時間も長くなります。ゴール地点までたどり着くことが全てではなく、そのあと無事に帰宅してやっと完走と考えましょう。身体の消耗度合いが尋常でないこともあり、車を運転して帰るとしたら、疲労で事故を起こす危険性もあります。

完走後しっかり補給して体力を回復することはもちろんですが、余裕を持った移動を行い、可能ならば1日休みをとって温泉でゆっくりするなんてことも考えてください。そこまでスケジュール管理ができれば、ウルトラランナーとして合格だと思います。

コラム:やり切ったレースが1番! ウルトラは別格!

私は100kmをメインに取り組んでいますが、フルマラソンでもまだ記録を目指しています。これまでにフルマラソン55回、ウルトラマラソン9回を走ってきました。その中で最も印象に残っているレースを挙げるとすれば、2018年のサロマ湖100kmウルトラマラソンです。

このレースには、万全な準備で臨みました。練習で100km超の距離も走るなど、着実に練習を積み上げてレースに望めた実感がありました。もちろん優勝も念頭にありました。世界選手権の選考レースでもありました。

結果は…自己ベストを14分更新、過去のレースなら優勝可能な記録でしたが5位。優勝は風見尚さんの6時間9分14秒、100kmの世界記録が20年ぶりに更新されたレースでした。世界選手権の切符も逃しました。非常に悔しい思いでした。でも持てる力を出し切った実感もあり、同時にやり切った清々しさも残りました。

フルマラソンでも感動は味わえます。でも100kmのそれはフルとは別格。まるで新しい自分と出会えたかのような感覚です。(コロナ禍で)いつ100kmレースを走れるようになるか、まだ分かりませんが、その日が来た時にその感動味わうために、ぜひウルトラの世界へ足を踏み出しましょう!

トレーニング指導:川内鮮輝(かわうち よしき)

1990年生まれ。プロランナーの川内優輝さんを長男とする川内3兄弟の次男。四万十川100kmウルトラマラソン、隠岐の島100kmウルトラマラソン、柴又100kmなどで優勝。ベスト記録は、マラソン2時間15分50秒 (2021年びわ湖毎日マラソン)、100km6時間28分35秒 (2018年サロマ湖100kmウルトラマラソン)。