100K Ultra Training
初めてウルトラを目指す人にも!ベテランランナーにも!
いいのわたるコーチのウルトラマラソントレーニング
第2回 レース2カ月前~1カ月前までの練習メニュー例
レース2カ月前に入りました。ここから走力レベルによって現状維持、少し追い込む、しっかり追い込むトレーニングを紹介します。この1カ月もレースに向けた調整は不要と考えますが、前の月の疲労が残っているようであれば休養を入れてください。
またレース用シューズについて、時々レースのぶっつけ本番で履かれる選手を見かけます。新しければクッション性やグリップ性が良いのは確かですが、靴擦れなどのリスク回避や足に馴染ませるため、事前に50~100kmは履き慣れしておいてください。レースの中間地点で荷物がデポできるのであれば、交換用のシューズを準備しておくのも有効です。
●初級者 初ウルトラマラソン
~完走ぎりぎりランナー
250~300kmを目標に走りましょう! 前月に比べ、走り慣れたと思いますので50km追加しました。
この時期はまだ追い込める月であるため、全体的に距離を増やしています。また、ウルトラマラソンでは多くの場合コースに高低差があります。登坂力や下り坂に慣れるためにも起伏走を取り入れてください。山であればコース取りが容易ですが、市街地ではなかなか難しいため、階段やそういった公園を見つけてみてください。スピードはジョグペースで問題ありません。そして翌月は調整に入るため、今月末で一度フルマラソン程度のジョグを取り入れてください。 前月より距離を増やしていますが、疲労など残っているのであれば前月と同様のメニューでも問題ありません。
※ペース走:(ジョグペース ー 10秒)/km
※ビルドアップ走: 5km(ジョグペース ー 5秒)/km → 5km(ジョグペース ー 10秒)/km → 5km(ジョグペース ー 15秒)/km
●中級者 ウルトラマラソン経験者
~10時間切り目標ランナー
300~350kmを目標に走りましょう! 前月に比べて追い込むため50km追加しました。
初級者同様、起伏走によって心拍を鍛えるメニューを取り入れてください。中級者はできればこの追い込みを乗り越えて来月の調整期間で十分な休養を取り入れていただきたいですが、身体としっかり対話して調子が崩れそうであれば、ポイント練習となる長距離トレーニングの日は距離を5~10km短めに設定してください。スピードという質は極力変えないよう走り込んでください。
※ペース走:(ジョグペース ー 10秒)/km
※ビルドアップ走: 5km(ジョグペース ー 5秒)/km → 5km(ジョグペース ー 10秒)/km → 5km(ジョグペース ー 15秒)/km
※インターバル走:(ジョグペース ー 30秒)/km を 1km × 10本
●上級者 9時間切り目標ランナー
350~400kmを目標に走りましょう! 前月に比べて追い込むため50km追加しました。
初級者中級者同様、起伏走を取り入れてください。また、各練習メニューに応じてシューズを履き替えてみてください。上級者であるほどビルドアップやロング走によってリズムに乗れたり疲労が残ったりするケースがよく見られます。 追い込み量も多いため、アイシングはもちろん交代浴やストレッチなど十分な身体のケアをしてください。
※ペース走:(ジョグペース ー 10秒)/km
※ビルドアップ走: 5km(ジョグペース ー 5秒)/km → 5km(ジョグペース ー 10秒)/km → 5km(ジョグペース ー 15秒)/km
※インターバル走:(ジョグペース ー 30秒)/km を 1km × 10本
トレーニング指導:ジャパンウルトラマラソンチャレンジシリーズ公認コーチ・いいの わたる
東京都出身。自動車設計技師としてドイツに駐在していた30歳の時、ダイエットのために走り始める。その後は、世界を舞台に極限の長距離走への挑戦を続け、国内のウルトラレースはもとより、海外のウルトラトレイルや砂漠マラソンで優勝・入賞を果たしNHK BS GREAT RACEで紹介される。コロナ禍でもチャレンジを続け、2020年東海自然歩道1140km、2021年本州縦断1550kmを走破する。