100K Ultra Training

初めてウルトラを目指す人にも!ベテランランナーにも!

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矢田夕子コーチのウルトラマラソントレーニング

第10回 長い距離に慣れる!

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前回ご紹介したのは『レースと同じような環境で走る』ということ。
レースと同じような環境で長い距離に慣れるため、少しずつ距離を延ばしていきます。
いきなり距離を延ばしすぎると怪我の原因にもなりますので、徐々に増やしていきましょう。

イメージとしては100kmのウルトラマラソンだとすると、レースの3〜4週間前に50km〜70kmの距離を走れるようにしておきたいです。
100kmだったら100km走ればいいのでは?と思われる方も多いと思いますが、レースが本番なのでレースまでに走り過ぎると回復が難しい。
一度試しておくにしても、レースまでにちゃんと回復できる期間を設けます。

週末に長い距離を走る方が多いと思います。
1週目 20km or 150分走
2週目 30km or 200分走
3週目 40km or 300分走
4週目 レスト週 15kmLSD or 90分LSD
5週目 40km or 300分走
6週目 50km or 360分走〜
という感じで徐々に距離や時間を延ばしていき、必ず、レストの週も設けましょう。

また1度に走ることが難しい人は、2日に分けて(25km+25kmなど)走ることで長い距離に慣れていきましょう。

この期間に、本命レースよりも短い距離のレースに出ることも良いと思います。
本命レースと同じような補給やシューズ、ウエアなどを試します。
ただし他の人と競ってしまうと疲労が大きすぎるので、これは練習だと思って走りましょう。

練習量の増やしかたは様々ありますが、ポイントとして下記を意識してください。
・急に距離や時間を延ばさず、徐々に延ばす
・必ずレストの週を設ける
・レースペースで走る
・長い距離の後は怪我や風邪を引きやすいので注意する

長い距離を走るためには、それ以前の身体作りが重要です。
レースから逆算して、身体作りの期間をしっかり設け、長い距離へと増やしていける期間を考えてトレーニングを組みましょう!

コラム:心理的準備

レース前は心理的な準備も必要になります。
心理的に準備する5つのポイントは

  1. 自信
  2. モチベーション
  3. 積極性のコントロール
  4. 不安への対処
  5. リラクゼーション

です。

1つ目に自信。
レース前にしっかり準備できたという自信を持ちましょう。

2つ目にモチベーション。
外的なモチベーション、記録や順位などもありますし、内的モチベーション、自己実現や楽しむということをモチベーションにして走りましょう。

3つ目は積極性のコントロール。
レースの始めから鼻息フンフンでスタートしてペースが上がりすぎると、潰れますよね? 積極的に行きたい気持ちをコントロールしましょう。

4つ目に不安への対処。5つ目にリラクゼーションがあります。

下の図で説明すると緊張が高すぎてもダメ、低すぎてもダメ。リラックスしすぎて集中していない状態でも、集中しすぎていてもダメ。
適度な緊張感を持って、適度に集中するのが一番です。

そのためにはレースに向けて何をして、何を準備するのか、どんなペースで走るのか、どんな走りをしたいのかを考えておくと良いでしょう。
1つのレースにこんなに準備することある?と思われるかもしれませんが、準備しておくことにこしたことはありませんし、レースを楽しむためにも、トレーニングだけではなく様々なことをレースまでに準備していきましょう。

トレーニング指導:ジャパンウルトラマラソンチャレンジシリーズ公認コーチ・矢田夕子

実業団選手(パナソニック女子陸上競技部)を引退後、鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の資格を取得し、2017年4月より東京都多摩市にトレーニング兼治療院施設「TREAT」をオープン。競技者としての経験も活かしながらトレーニング&ケアを市民ランナーに指導している。自身もトレイルランニング、ウルトラマラソンを中心にランナーとして活動中。2016年野辺山高原100kmウルトラマラソン・優勝。2019年サロマ湖100kmウルトラマラソン・8時間33分47秒。ザムストブランドアンバサダー。