100K Ultra Training

初めてウルトラを目指す人にも!ベテランランナーにも!

image

第8回 ロングインターバルで乳酸の処理能力を上げる

supported by ZAMST

800m・・・1000m・・・ロングインターバルってキツくないですか?
私も現役の頃から苦手でした。でも、ロングインターバルは、スタミナを強化するトレーニングです。効果は絶大ですから、前回ご紹介したAT値を上げるトレーニングとともに、インターバルの距離と時間を延ばしてロングインターバルを行っていきましょう。ハードな練習を乗り越えることは、ウルトラマラソンを走り切るための自信にもなります(文字通り、自分を信じる力!)。

インターバル走は、高負荷(スピードを上げて走る)と低負荷(ゆっくりとしたジョグ)を交互に繰り返すメニューですが、距離やペース、リカバリーの設定によって異なった効果が得られます。
共通しているのは「速度変化により心拍数が大きく変動して、身体にかかる負荷が変化し心肺機能が強化できる」ことや、「スピードを上げるときとジョグでは筋肉にかかる負荷が違うため、脚力の向上につながる」こと。
その上で、細かくVO2MAX(最大酸素摂取量)や代謝などを分析すると、以前ご紹介したモータスキルトレーニングや短いショートインターバル(200m程度まで)はスピードの引き上げに役立ち、ロングインターバルは、疲労への耐性を高めて、乳酸を使う能力を上げることに有効だという研究結果が出ています。

こちらの研究文献をご紹介すると難しい内容になってしまうので割愛しますが、ロングインターバルのトレーニングをすることで、乳酸をエネルギーに転換できる能力を養うことができる。──このように覚えておいてください。

尚、ロングインターバルのランニング時間の定義は60秒以上ではありますが、3分前後で一番効果があるようです。
リカバリーは、ジョグとはいえ走ることで次の本数がこなせないなどマイナスの部分が出ることもありますので、2〜3分のパッシブリカバリー、つまり「歩き」などを行い、走らないでリカバリーしてもらえたらと思います。

●よくペースを上げて走っている人

時間で言うと3分程度のランニングにリカバリーを2〜3分取りましょう。ペースの目安(ランニングの強度)は『きつい』、最後の1、2本で『非常にきつい』と感じるくらいです。そうすると、走る距離は800〜1000m程度になるかと思います。
この1セットを何本が繰り返し、ランニングしている距離の合計を6〜8km程度にします。

●普段、あまりペースを上げて走っていない人

ランニングの時間とリカバリーの時間を、例えば1分速く走り1分パッシブリカバリーというように1:1で設定し、徐々にこの時間を増やしていきましょう。
ランニングの距離は、合計で4km程度になるようにします。

苦手なものほど必要なトレーニングだったりしますので、挑戦してみてください!!

コラム:トレーニング後のリカバリー

皆さん、トレーニングのあとにリカバリーを行っていますか?
よく聞くリカバリーの方法としては
・アイシング
・マッサージ
・交代浴
・コンプレッション衣類
・アクティブリカバリー
・ストレッチ
など様々なものがあり、実践されている方もいるかと思いますが、では実際何がいいの?という話になるかと思います。

正直、リカバリーに関して調べると、あ〜でもないこ〜でもない、良いのか悪いのか、コロコロ変わります。
最近の文献では、様々なリカバリーの効果について以下のことが書かれていました。

・炎症は自己修復がおきているのでアイシングはしない(時と場合によると思いますが・・・)
・マッサージとストレッチの組み合わせがリカバリーに良い
・交代浴やコンプレッション衣類は文献によって効果の差がある
・トレーニング後すぐのアクティブリカバリー(クーリングダウン)は良いが、1日以上たったアクティブリカバリー(水泳や軽いジョグ)はリカバリーにならず疲労が溜まる

1番のリカバリーとなると「食事を摂って、寝て、休息する。」に尽きるようです。 トレーニング後は食事をしっかり摂って、スマホをいじらずに(笑)、ちゃんと睡眠時間を取りましょう!

【アイシング用アイテム】

様々な部位の冷却・圧迫に。

腕や足の冷却・圧迫に適したアイシング用ラップ。仮どめストラップを採用し、片手でも装着できます。

【コンプレッションスリーブ・脚】

フィット感を追求した立体裁断とフリーカット仕様。

足首からふくらはぎにかけて圧力を段階的に弱める設計で、疲れやすいふくらはぎをサポート。 また、ふくらはぎ全体を圧迫することで、疲労につながる筋肉の無駄な揺れを抑えます。

【コンプレッションスリーブ・腕】

立体裁断とフリーカット製法で心地よい着用感を実現。

手首から上腕にかけて圧力を段階的に弱める設計で、腕全体をサポート。 また、腕全体を圧迫することで、疲労につながる筋肉の無駄な揺れを抑えます。

トレーニング指導:ジャパンウルトラマラソンチャレンジシリーズ公認コーチ・矢田夕子

実業団選手(パナソニック女子陸上競技部)を引退後、鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の資格を取得し、2017年4月より東京都多摩市にトレーニング兼治療院施設「TREAT」をオープン。競技者としての経験も活かしながらトレーニング&ケアを市民ランナーに指導している。自身もトレイルランニング、ウルトラマラソンを中心にランナーとして活動中。2016年野辺山高原100kmウルトラマラソン・優勝。2019年サロマ湖100kmウルトラマラソン・8時間33分47秒。ザムストブランドアンバサダー。