100K Ultra Training

初めてウルトラを目指す人にも!ベテランランナーにも!

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矢田夕子コーチのウルトラマラソントレーニング

第1回 トレーニング計画

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どんな距離のレースでも様々な準備をして臨むことが、完走するにも速く走るためにも、怪我やオーバートレーニングを防ぐためにも大切です。

ウルトラマラソンはもちろん、マラソンもですが『ゴールを決める』ことがまずは重要です。
出たいレースまでにどのくらいの時間・期間があるのかを考えてゴールを決めます。
初心者の方が1ヵ月後のウルトラマラソンに出場するというのはあまりにも無謀ですよね?
どのくらいの期間があり準備することができるのかを考えてゴールとなるレースを決めましょう。

ゴールを決めたらトレーニング計画を立てましょう。
ある一定期間を期分けし目標レースに対してピークが合うようトレーニングを組むことを『ピリオダイゼーション』と言います。

トレーニングをひたすら頑張ることが出来れば良いのですが、それでは怪我などのリスクが高まります。
トレーニングの量と質を変化させ、調子のピークをレースに合わせていくことが必要です。

「出せるスピードを高める」「脂肪を燃やせるようにする」などフェーズごとで主に効果を出したいトレーニングの割合を多くしウルトラマラソンに身体をアダプトさせていきます。
人間の身体が変化するのは4~6週間かかるので、各フェーズは4~6週間(フェーズ4は2~3週間)、メインレースまで4~6ヶ月必要になります。

フェーズ1は基礎的な走力をつける期間です。量はだんだんと増やし土台を作っていきます。

フェーズ2はスピードが速いトレーニングも入れつつ強度を上げていきます。

フェーズ3は時間や距離がピークになるフェーズです。レースと同じような負荷を多く入れていきます。

フェーズ4はペースを保ち身体に刺激は入れながら、時間や距離は減らすというテーパリングという手法を用いてピークをあわせる時期になります。

レースというゴールを決めたら、まずはどのくらいの時間があり、各フェーズがいつまでなのかを計画してからトレーニングを計画していきましょう。

コラム:トレーニングのストレス管理

トレーニングの量や強度を変化させてとトレーニング計画でお伝えしましたが、量と強度によってトレーニングのストレスを出すことでよりトレーニングの管理が正確になります。
「今週は50km走れた!」と言っても、アベレージの心拍数を130で走った50kmとアベレージの心拍数を160で走った50kmでは身体にかかるストレスは違いそうですよね?
距離で管理している方がとても多いと思うのですが、量や強度を考慮してストレスを管理していただきたいと思います。

ストレス管理する際にまずは何を指標にするかを選択してください。
心拍数、パワー、乳酸値、VO2MAX、主観的運動強度・・・など指標を何にするかでストレスの求め方も変化します。
ここ近年手首で心拍数が簡単にとることが可能になりました。アベレージの心拍数を使ってストレスを算出してみましょう。

「トレーニングストレス=アベレージハートレート×時間(分)」
例)アベレージ心拍数140で50分走ったとすると140×50=7000

計算した数値を日々記録しておくと、週間毎にも数値が蓄積されていきます。前週のストレスの数値が高ければ、今週は落とそうという感じで調整することができます。
まずは日々のトレーニングストレスを計算して蓄積してみましょう!

トレーニング指導:ジャパンウルトラマラソンチャレンジシリーズ公認コーチ・矢田夕子

実業団選手(パナソニック女子陸上競技部)を引退後、鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師の資格を取得し、2017年4月より東京都多摩市にトレーニング兼治療院施設「TREAT」をオープン。競技者としての経験も活かしながらトレーニング&ケアを市民ランナーに指導している。自身もトレイルランニング、ウルトラマラソンを中心にランナーとして活動中。2016年野辺山高原100kmウルトラマラソン・優勝。2019年サロマ湖100kmウルトラマラソン・8時間33分47秒。ザムストブランドアンバサダー。